数字はある。でも、売上につながらない。
アクセスはそこそこある。
SNSのフォロワーも増えてきた。
クリック率(CTR)もまずまずで、LPのCVRも一応は見ている。
ファネル設計も、プロに習って「認知 → 教育 → 提案」の流れを組んだ。
なのに、なぜか売れない。
予約が入らない。問い合わせも来ない。
ようやく来たお客様も、リピートにはつながらない。
「数値上はうまくいっているはずなのに…」という違和感が、
日に日に、あなたの中で膨らんでいないでしょうか。
それは決して、あなたの頑張りが足りないからではありません。
むしろ、「数字をちゃんと見て、仕組みも組んだのに売れない」というこの状況こそが、
いま多くの地方・対人ビジネスが直面している構造的な問題なのです。
この違和感の正体は、
「数字だけで商売を設計している」という構造のズレにあります。
──え、でもCVRが悪いと売れないんじゃないの?
──ファネルを組んで、見込み客をナーチャリングしないと…
そう思うのは当然です。
なぜなら、ほとんどの集客講座やマーケティング解説では、
そうしたデジタルの数字モデルを正解として教えているからです。
しかし、ちょっと思い返してみてください。
あなたのお店に、何度も来てくれる人は、
CVRやLTVで動いているわけではありません。
あなたの言葉や空気感、信頼の積み重ねで動いているはずです。
そう。地方や実業・対人型のビジネスにおいては、
「数字の正解」が「現場の真実」とズレているのです。
本記事では、「CVR」「ファネル」といった数値中心の設計が、
なぜ地方ビジネスや対人サービスで機能しにくいのかを紐解きながら、
その代わりに、どうすれば、信頼と温度感で売上が自然に生まれる構造が作れるのか、
実例とともにお伝えしていきます。
テンプレや数字の中に埋もれてしまった、
自分の商売らしさを取り戻すために。
CVR・ファネルの設計は見知らぬ人に売る前提
「集客の仕組みを作るには、ファネルが大事です」
「CVR(成約率)を見て、数字を最適化しましょう」
今や、マーケティングの場面で当たり前のように語られる言葉たち。
たしかに、これらは関係性がゼロの人に対して販売する際には、とても有効です。
ファネルとは、そもそも「じょうご(漏斗)」のこと。
より具体的に言えば、
①SNSや広告で「認知」してもらい
②メルマガやLPで「教育」し
③オファーを提示して「比較・検討」に入り
④最終的に「購入・成約」に至る
という流れを段階的に設計し、数字で改善していくものです。
つまりこれは、あなたを知らない人を前提とした売り方。
一見スマートに見えますが、裏を返せばこうなります。
「関係性はゼロ。でも売りたい」
→ だから、数字で仕組みを組み、教育していく
この構造が有効なのは、大量のアクセスが前提になるデジタル商品やファンビジネス、都市型のBtoCモデルです。
一方、地方ビジネスや実業型サービスはどうでしょうか?
・すでに一度来てくれたお客様
・名刺交換をしたことのある人
・地域イベントで顔を合わせたご縁
・ご紹介でつながったご近所の方
こうした人々は、「ゼロ」ではなく、すでに関係性がある人たちです。
この状態で、ファネルをそのまま導入してしまうと、
本来は自然な信頼があったはずの関係性に、売られるための導線が介入してしまいます。
たとえば、久しぶりに顔を出した常連さんに、
テンプレ通りの「セールスステップメール」が届いたらどうなるでしょうか?
「なんだか機械的だな」
「いきなり売られた感じがする」
「距離がある気がして、ちょっと引いてしまう」
そんな感覚が起こり、むしろ離脱の原因になることも珍しくありません。
ファネルは「関係ゼロ→関係構築→販売」の仕組みです。
だからこそ、すでに関係がある人に対しては、逆効果になる可能性があるのです。
地方や実業・対人型ビジネスでは、
むしろ「関係性が前提」にあるケースが大半です。
・来店の履歴がある
・お子さんや家族構成を知っている
・誕生日にお祝いメッセージを送ったことがある
こうした温度のある関係に、
ファネル的なテンプレ構造で接してしまうと、関係性を壊すリスクすらあります。
だからこそ、次の章ではこう問い直します。
「あなたのビジネスは、数字で動いていますか?」
それとも、「信頼と温度で動いていますか?」
この視点が、地方・対人型ビジネスにおける設計の根本的な見直しにつながります。
実業・対人型ビジネスは、CVRではなく温度で動いている
「数字を見て、改善して、また数字を見る」
それがマーケティングの基本だと思っていませんか?
確かに、広告・LP・ステップメールなどのデジタル施策では、
CVR(成約率)をはじめとする数字の最適化が成果に直結します。
けれど、対面型・地域密着型のビジネスでは、その考え方が根本からズレてしまうことがあるのです。
「お客様は、気分で動いている」
地方や実業の現場では、こういった経験がありませんか?
チラシから来た人は、価格を見て帰ってしまった
紹介で来た人は、初回から「次もお願いします」と言ってくれた
SNS広告から来た人は、割引には反応したが継続しなかった
この違いは、商品内容や価格の問題ではなく
「信頼の温度差」が影響しているのです。
紹介で来た人は、すでに信頼の文脈を持っています。
チラシや広告で来た人は、ゼロからの関係構築が必要です。
それにもかかわらず、どちらにも同じテンプレを適用し、
同じようにCVRを追いかけると
人間的なつながりの要素が、完全に抜け落ちてしまう。
数字は冷静で便利ですが、人の心はもっと複雑です。
とくに地方ビジネスでは、「誰と」「どう出会ったか」その文脈が売上に直結します。
「信頼の空気」で決まる売上
私が18年間経営している整体院でも、明確な差がありました。
チラシ経由の初回来店 → 成約率10〜20%
紹介・過去顧客への再アプローチ → 成約率80〜90%
この成約率の差をCVRで測ると、
「紹介の方がCVRが高い」→「紹介を増やそう」→「紹介キャンペーンをやろう」
となるのが一般的な改善案です。
でも、本質はそこではありません。
「なぜ紹介だと高確率で成約するのか?」
「なぜ過去顧客は再来店しやすいのか?」
答えは、「信頼の残高」がすでにあるから。
つまり、数字ではなく空気と関係性で売上が動いているのです。
このように、実業や地域ビジネスでは
温度という非数値の情報が、売上の根幹にあります。
にもかかわらず、「数字=正しさ」としてCVRだけを追い続けると、
本来見えるべき信頼の兆しを見逃すようになってしまいます。
なぜ数値支配は、あなたの商売を壊すのか?
マーケティングの世界では、数字は「判断基準」として扱われます。
クリック率、成約率、滞在時間、開封率、離脱率…
これらの数値を使えば、広告や導線の良し悪しを見える化できるため、効率的な改善がしやすくなります。
しかし、
その「数字」が、知らぬ間にあなた自身の商売の本質を侵食しているとしたら?
これは、実業型・対人型のビジネスで特に起こりやすい数値支配の落とし穴です。
数字に従うと、あなたの思想が消えていく
たとえば、こんな状況に心当たりはありませんか?
LPのCVRを上げるために、定型的なキャッチコピーを使ってみた
「ここで限定オファーを出すと反応がいい」と言われ、やってみた
「3ステップのファネルが鉄板です」と聞いて、その通り組んだ
確かに、数字は少し上がったかもしれません。
でもその結果、こう感じることはなかったでしょうか?
「なんか、自分の商売っぽくない」
「お客様が反応してるだけで、信頼されてる感じがしない」
これは、数値の最適化に従うほど、
あなた自身の理念・スタイル・空気感が後回しになっている証拠です。
一時的な成果が出ても、「継続されない」「紹介が生まれない」「再訪が少ない」といった信頼の枯渇が、後から大きな代償となって現れてきます。
数字に支配されると、現場の違和感に鈍くなる
もうひとつの問題は、「数字を追うほど、違和感に鈍感になる」ことです。
数字に慣れてしまうと、お客様のちょっとした反応や声よりも、
ダッシュボードの数値の方が重要に見えてきます。
「反応率が3%上がった」
「成約率が10%に改善された」
こうした結果に一喜一憂するあまり、、
お客様との目の動きや沈黙の空気に気づけない
本当は無理して買ってくれた相手にフォローできない
何かがズレてる気がしても「でも数字は良いし」で流してしまう
こんな状態に陥ってしまうのです。
特に、地域や対面で信頼を積み重ねるビジネスでは、
違和感に敏感であることこそ、最大の武器になるはずです。
数字はあくまで「指標」であり、真実ではありません。
売上が安定する本質は、「この人なら任せられる」という信頼の連鎖。
それは、CVRやクリック率のグラフには映りません。
地方・実業こそ、空気を読む商売設計が強い理由
「CVR(成約率)」や「ファネル(顧客導線)」が本質ではない。
そう気づいたとき、多くの地方・対人型ビジネスは本来持っていた強みを思い出します。
それが、「空気を読む商売設計」。
つまり、人との関係性、信頼の温度感、非言語のやり取りで商売が動いているという事実です。
数字よりも、「誰と」「どう繋がるか」が価値になる
たとえば、あなたのお店にこんなお客様がいたとします。
3年ぶりにふらっと来てくれた常連さん
友達の紹介で「○○さんから聞いて」と訪れた人
何も言わずに、ずっと通ってくれている近所の方
これらの方々は、LPや広告で獲得したのではありません。
過去の接点、信頼、空気の積み重ねの中で、自然に再訪・紹介が起きています。
実はこのような「非数値の連鎖」こそが、地方や実業の売上を支える本流です。
地域密着型の仕事は、ファネルではなく人間関係の地図で考えるべき
都市型ビジネスや情報商材型のモデルは、「いかに多数の見込み客を導線に乗せるか」が設計の主眼です。
だからファネルや数値最適化が有効に働きます。
一方で、地方の商売はどうでしょう?
客層は「すでに知っている人」が多い
人づてに情報が伝わることが多い
数字よりあの人が言ってたの方が強い
このような環境下で、テンプレ的な「ファネル」を持ち込んでも、
すでにある信頼関係を壊してしまうリスクすらあるのです。
だから必要なのは、「売上導線」ではなく、
人間関係の地図を描く感覚です。
誰と、どんな関係性があって
今どういう温度感でつながっていて
どんな声かけなら自然か?
こうした文脈の中で提案を行うことで、
押し売りにもならず、数字に頼らず、自然な流れで売上が生まれていくのです。
あなたの体温が、最大の武器になる
マーケティングの型に合わせるほど、自分の「空気」「温度」「人柄」は削られていきます。
でも、地方や対人型の商売にとって
その人間らしさこそが最大の信頼残高。
あなたが大切にしてきた関わり方、言葉の選び方、気遣いの温度。
それらを数値では測れませんが、確実に売上につながっています。
この強みを、改めて「設計」に変える。
次章では、そのための実践方法。
数字ではなく「温度と関係」で売上をつくる視点を解説します。
どうすればいいのか?数字ではなく「温度と関係」で売上を作る視点
ここまでお伝えしてきたように、地方や実業のビジネスにおいては、
ファネルやCVRよりも、関係性の温度が売上に直結します。
では、具体的にどうすれば「温度と関係性」を軸にした売上づくりができるのでしょうか?
以下に、実際に取り組める視点とステップを紹介します。
① 今の商売の空気を棚卸しする
最初にやるべきは、「いま自分の商売が、どんな空気感で成り立っているか」の振り返りです。
お客様とのやり取りで信頼が生まれている場面は?
紹介が起きたときの共通点は?
来店頻度の高い人は、なぜ通い続けてくれている?
これらを思い出し、信頼が生まれている瞬間の構造を言語化していきます。
ポイントは、「何を言ったか」よりも、「どんな気配だったか」「どんな雰囲気だったか」を見ること。
② リストの温度を読む
次に、あなたの手元にあるリスト(顧客情報、名刺、LINE登録者など)を見直します。
そして、それぞれの方との関係性を温度でラベリングしてみてください。
たとえば、
高温:常連客、最近やり取りがあった方
中温:過去に来店したが、最近は接点がない方
低温:かなり前に関わりがあったが、それきりの方
このように仕分けすることで、
「誰に、どんな接点をつくれば自然か?」が見えてきます。
③ 「何を言うか」より「いつ言うか」で再接点設計
よくある誤解に、「刺さる言葉さえあれば売れる」という考え方があります。
しかし、地方・対人型の商売においては、
何を言うかよりも、いつ言うかのほうが何倍も重要です。
相手のタイミング、体調、季節、心の余裕。
その文脈に合ったときに、適切な温度で声をかける。
それだけで、「売り込み」ではなく「信頼の再接続」になります。
たとえば、
「最近どうされていますか?」という一言LINE
誕生日に送る小さなカード
季節の変わり目に出すお便り
どれも、売るではなく、思い出してもらうアプローチ。
これが、リストを再活性化し、自然に売上につながる設計です。
再現性ではなく、あなたらしさの設計を
大切なのは、「誰でもできる仕組み」ではなく、
あなたにしかできない信頼の流れを設計することです。
それは、テンプレではなく自分で問い直す設計。
自分らしい声かけって、どんな温度だろう?
お客様が嬉しそうだったタイミングって?
自分が疲れずに、自然に続けられる関わり方って?
この問いをもとに、関係性をもう一度、見える形にしていく。
それこそが、売り込まずに売れる導線の原点になります。
まとめ:「あなたの商売は、関係性で動いている」
SNS、LP、ステップメール、CVR、ファネル設計…
あらゆる数字とツールを駆使して「仕組み化」を追求してきたあなたへ。
その努力が報われないとしたら、
それはあなたのやり方が間違っていたのではなく、
「前提の構造」があなたの商売に合っていなかっただけかもしれません。
ファネルより、人間関係設計
見知らぬ人に向けた最適化(ファネル)は、
関係性の土壌がない市場では機能するかもしれません。
しかし、地方・実業・対人型ビジネスにおいては、
関係性のある人たちが、売上の本流です。
その人たちと、どんな空気で、どんな温度で、どんな関係を育てていくか。
この設計にこそ、あなたのビジネスの価値があります。
CVRより、温度感と信頼残高
数字で管理された「売れる仕組み」は、
ときに“信頼を下げる導線”になることがあります。
一方、空気を読み、関係を思い出し、
信頼の残高を丁寧に積み上げていくことで、
売らずとも売上が生まれていくのです。
商売とは、「信頼という空気」を資産化する営み
売上とは、感情の結果です。
そして感情は、数字ではなく空気で動きます。
覚えていてくれた
自分のことを思い出してくれた
押しつけられていない安心感
そうした小さな空気が積み重なることで、
お客様の中に「また相談したい」という気持ちが芽生えます。
売上=信頼の空気 × 温度の再接続
この構造を理解し、設計できるようになると、
あなたの商売は、無理なく、疲れず、自然に回り出していきます。
ご案内:信頼から売上を作る「三方良し式リスト活用術」
ここまで読んでいただいたあなたには、
「売上は関係性と温度で決まる」という視点が、
実感として伝わったかもしれません。
しかし
「そうは言っても、具体的にどう関係性の仕組みを作るの?」
という声も当然あると思います。
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なぜ「CVRとファネル」が地方ビジネスに合わないのか?
関係性の温度を見える化する3ステップ
メッセージ1通で再来店・紹介が生まれる仕組みとは?
小規模ビジネスでも回る「信頼ベースの導線設計」
リストの棚卸し・分類・再接点設計のやり方
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FAQ
Q1. ファネル設計がうまくいかないのはなぜですか?
A. ファネルは「関係性ゼロの新規顧客」に向けた設計です。既に信頼がある地方・実業ビジネスでは、関係性や温度感を無視したファネル設計は逆効果になることがあります。
Q2. CVRを見て改善しているのに、売上が伸びません。
A. CVRは成約率の目安ですが、「誰に、どんな関係性で」売っているかが見えていないと、数字の改善が売上に直結しません。特に紹介やリピートはCVRよりも“信頼残高”で動きます。
Q3. 地方ビジネスでは、ファネルは使えないのですか?
A. 使えないわけではありませんが、「見込み客との関係性が深まりにくい地域」では、ファネルだけに頼ると空回りすることがあります。人間関係や接点の温度も設計に入れる必要があります。
Q4. 自分のビジネスの温度ってどうやって測ればいいですか?
A. 過去のお客様、LINE登録者、名刺交換者を見直し、「最近やりとりがあったか」「覚えていてくれていそうか」などでラベリングします。反応率や関係の深さを“可視化”するのが第一歩です。
Q5. ファネルをやめると、売上が下がるのでは?
A. 数字だけの仕組みをやめる=売上を落とす、ではありません。むしろ「関係性ベースの接点設計」に変えることで、少ない労力でも安定した売上を維持できるようになります。
この記事の執筆者
鎌田 雄大
18年にわたり自営業として整体院経営・物販業を経験。
その後ネットビジネスの世界に入り、SNS等で一定の認知を得るも、「ノウハウに囲い込まれる構造」への違和感から、既存の発信基盤をすべて手放し、知名度ゼロの状態からブログとメルマガのみで事業を再構築。
「テンプレで成果は出るが、問いを失う」という価値観のもと、単なるノウハウ提供ではなく、読者が「問いを持ち、自分の構造を見直し、自立して卒業していくこと」を支援の軸に据える。
元・ノウハウ依存/自己否定ループ経験者
現・問い直す力の再設計者
思索と実践のあいだで構造から動き出す言葉を紡ぐ
支援の最終目的は、「誰かに教わらなくても動ける自分に還ること」。
それが、根底にある一貫した思想です。
「答え」ではなく「問い」からはじめたい人へ。
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